・テンパリング(温度調整)はチョコレートを扱う上で最も大切で基礎となる技術です
作業の流れとしては45〜50℃に溶かしたチョコを26〜7℃まで冷やし30〜31℃まで上げます。26~27℃は、チョコがギリギリがギリギリ固まらない温度で、30~31℃はチョコが溶けた状態になります。(各温度はチョコレートによって多少の前後あり)。ではこの温度調整で何しているのかというと、チョコレートの結晶体を操作しています。
チョコレートにはI〜VIの結晶が存在します、I〜IVが不安定型、V.VIが安定型となり、テンパリングではこのV型の結晶体を作るのが目的です。
なぜV型を目指すのかとというとこの結晶体が1番艶、口溶けがいいからです。
上記の温度調整に戻りますが、最初に45〜50℃に上げるのはチョコにある結晶体を一度全て溶かすためです、そして一度冷やすことで先程の結晶体(I〜IV)ができ始めます、その後もう30〜31℃に上げることにより不安定型であるI〜IVはとけVの結晶体だけ残ります(Vの結晶体の融点はI〜IVより高いため)あとは残ったV型結晶が核となり全体に広がり綺麗な結晶体のでき上がりです
VI型結晶体はそのチョコを高い温度で長期間保管したりするとできる結晶体です。
これがテンパリングという作業の本質になります。この作業ができていないと滑らかな口溶けと、光沢、艶が綺麗にでません
また作業環境にもかなり影響される繊細な作業でもあります、極端に部屋が暑かったり寒かったりすると失敗や作業のしづらさに繋がるので部屋の温度は20〜23度をおすすめします
このテンパリングには、水冷法、フレーク法、タブリール法があります
どの方法も上記の温度調整を行います。(最初の45℃はどれも湯煎やレンジを使い温度を上げておきます)
作業方法は、作業環境、テンパリングする量、速度、手間などによって使い分けます。
- 水冷法は温度を下げる際に氷水でチョコを冷やし、お湯で温度を上げる方法
- フレーク法は溶けたチョコレートに固まった状態の刻んだチョコレートに混ぜて温度を下げる方法
- タブリール法は、大理石のテーブルの上に溶けたチョコを全量の3分の2ほど流し温度が下がったのち残しておいたもう3分の1と混ぜ温度を上げる方法
上手にテンパリングができたチョコは包丁やエルパレット、カードなどに薄くつけ、1.2分ほどで固まります。チェックを冷蔵庫に入れるのもいいですが、基本的にチョコレートは冷えれば固まる性質です。そのため、テンパリングが失敗したチョコでも固まってしまうため、個人的には室温が高い夏場などではない限り常温でのチェックをおすすまします
逆に失敗したチョコだと、なかなか固まらなかったり少し触れただけで溶けてしまったり、表面がざらついたりしています。
またテンパリングをしたチョコを扱う場合は、そのボールを30℃前後のぬるま湯につけながら、かつ時折全体をしっかり混ぜながら(空気を入れないように静かに)作業することで綺麗な状態でキープすることができます
次にandewを食べる際には、テンパリングによって生み出される滑らかさをお楽しみください。